2010年7月28日

教育の情報化に関する懇談会(第8回)を傍聴してきました

本日13:00より如水会館で行われた「教育の情報化に関する懇談会(第8回)」を傍聴してきました。
この懇談会では、今年度中に「教育の情報化ビジョン」を策定することを目指して取り組みが行われています。
今回は、策定に向けてのたたき台となる骨子をめぐり、多岐にわたり議論が行われました。
資料は後日文科省のHPで公表されると思いますので、興味のある方は閲覧してみてください。

「21世紀にふさわしい教育とは」という問いは、非常に多くの範囲を含んでいて、簡単に結論が出るものではないと思いますが、要点をまとめると、世界規模で進行している「情報化」と「グローバル化」にどう対応するか、ということになるのではないでしょうか。

いずれにせよ、21世紀をになう一人一人の生徒が、どのような教育を受ければ幸せな人生を歩んでいくことができるのか、という観点から議論が行われ、結論が出ることを願ってやみません。

2010年7月27日

デジタル教科書教材協議会 設立シンポジウム

本日13:30より明治記念館で行われた「デジタル教科書教材協議会 設立シンポジウム」に参加してきました。
式次第は下記の通りでした。

1 開演・ご挨拶
  株式会社三菱総合研究所理事長 元東京大学総長 小宮山宏
  総務大臣 原口一博
  文部科学副大臣 鈴木寛(の予定でしたが、欠席のため代理の方)

2 講演
  「情報化社会におけるデジタル教材のあり方」
    マイクロソフト株式会社代表取締役社長 樋口泰行
  「情報革命と教育変革で実現する日本の成長戦略」
    ソフトバンク株式会社代表取締役社長 孫正義

3 パネルディスカッション
  株式会社三菱総合研究所理事長 元東京大学総長 小宮山宏
  東京芸術大学客員教授 藤原和博
  系統技術大学メディアデザイン研究科教授 中村伊知哉
  ソフトバンク株式会社代表取締役社長 孫正義
  マイクロソフト株式会社執行常務 大井川和彦

※Ustream、ニコニコ生放送でもライブで配信されました。
 アーカイブでも見られます。
 http://www.ustream.tv/recorded/8540903

会場は立ち見をするほど多数の参加者が詰めかけており、プレス関係者だけでも100名近くはきている様子で、注目の高さがうかがえました。

いろいろと刺激的な内容だったのですが、一番インパクトがあったのは、孫社長のデジタルデバイス(ipadを想定したもの)に対する提案です。
現在、民主党の政策で子供手当が月13,000円支給されていますが、そのうちの280円を「デジタル教科書費用」にすることで、デバイス自体を無償配布し、通信費も無料とする、というもの。
これだと、新規に予算を作る必要もなく、実現に向けてかなり前進するのではないでしょうか。

ちなみに、月々280円の支払いは6年間(72カ月払い)とする、とのことなので、1つあたりの総額は20,160円になります。
ipadの原価は低価格モデルで≒2万円と言われていますので、ほぼ原価ですね。
それに、全国各地できちんとインターネットに接続できる環境を構築するにはかなりの費用がかかると思われますが、それでも、数百万人がipadユーザーになればペイする、という読みなのでしょうか。

パネルディスカッションの最後での、孫社長の発言が印象的でした。
「教育に携わる先生方は130万人いると言われていますが、その中の10人は命を捨てよ。命もいらない、名誉も地位も一切いらない、という人が10人立ち上がれば革命はできる」(要旨)
この発言に、孫社長の本気を感じました。

問題は山積していますが、2015年にデジタル教科書を無償配布することにに向けて、大きく動き出したことは間違いありません。

2010年7月23日

【ニュース】教科書代わり?――教育現場で存在感増すiPad

教科書代わり?――教育現場で存在感増すiPad

学校へのipadの導入はますます加速していきそうですね。
公立の学校については、予算化されない限り難しいと思いますので、当面は資金の豊富な私立大学や専門学校での導入が進んでいくのではないでしょうか。

【ニュース】「デジタル教科書」使う授業、11年度から試験実施 一部の公立校で

「デジタル教科書」使う授業、11年度から試験実施 一部の公立校で

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E2E5E2E0888DE2E5E2E5E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2


いよいよ来年度から教科書のデジタル化に向けて、モデル校を設けての実証実験が始まります。

10億円の予算がつく予定で、全国で10校を選び、各教室に「電子黒板」と、生徒全員に「デジタル教科書デバイス」を配布する、というものです。


対象になってしまった学校の先生・生徒は大変だと思いますが、どのような結果になるのか注目していきたいと思います。

【コラム】老舗書店を窮地に追い込む 教科書のデジタル化計画

老舗書店を窮地に追い込む 教科書のデジタル化計画

以前の「電子教科書はどうなるのか」という記事でも触れましたが、教科書のデジタル化に関しては、やはり既存の教科書製作会社、印刷会社、地元の書店などからの反対は必ず起きると思います。
しかし、どんなに反対運動を展開しても、世の中全体の流れがデジタル化に進むことは間違いなく、教科書が全面的にデジタル化されるのも、もはや時間の問題でしょう。

時代の流れが変わるときは、どのような分野であれ必ず、「これまでの既得権益を代表する勢力」と「新しい時代の流れを体現した勢力」とが衝突する瞬間があります。
身近な例では、「レコードからCDへ」、「ビデオからDVDへ」といったことがそうですし、IT革命でインターネットが発達した結果、テレビの影響力が低下していることもそうだと言えると思います。

既存の教科書関連の企業が生き残っていくためには、ただ反対するだけでなく、「アナログの素晴らしさ」に特化した教育方法や教科書を提案していくべきではないでしょうか。反対だけでは「延命」はできても「根本治癒」はできず、寿命が少し伸びるだけ、という結果になってしまう気がします。

2010年7月6日

【ニュース】東芝とインテル、共同で教育用タブレットPCを商品化

東芝とインテル、共同で教育用タブレットPCを商品化
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2010_07/pr_j0101.htm

このようなタブレット兼用PCの需要は、やっぱりあるんじゃないでしょうか。
小学校低学年にはipadのようなタッチパネルオンリーのものでもいいと思うのですが、小学校高学年以降では、キーボードの入力や、基本的なソフト(WordやExcelのようなもの)の使い方をおぼえる必要があると思います。ipadの画面でのキーボード入力はちょっと使いづらいですし…。

問題は「価格」と「耐久性」にですが、ある程度の需要が見込めれば解決できるのでは、と思います。